無級からカメ級になるための必達ポイント
みなさんこんちには、松川大悟です
普段コーチ達がレッスン中に、どういうポイントを押さえて子供たちに効率の良い身体の使い方を教えているのか、それらをいくつか紹介したいと思います。
無級からカメ級になるための必達ポイント
ポイント①
水中で開眼し5秒間潜ることができる(止息)
⇒
目を開けて止息ができると、僧帽筋上部をはじめとする頸部の筋群の力が抜け、全体として無駄な力みが無くなる。また頸部の力みが取れると、横隔神経により横隔膜に本来の動きが出てくる。これが後々クロールを泳ぐ際の必須の機能となる。※首と横隔膜は神経で繋がってます。
ポイント②
連続ボビング(呼息・吸息)、いわゆる『鼻から吐いて口から吸う』ができる
⇒ 止息とボビングができると、泳ぎの基本リズムである『 止息 ⇒ 呼息 ⇒ 吸息
』がマスターできる。且つ呼吸筋である横隔膜、内肋間筋、外肋間筋の最大短縮・最大伸張が起き、全呼吸(肋骨呼吸+横隔膜呼吸)による心肺機能の強化がここから始まる。
※日本では『胸式呼吸』・『腹式呼吸』が有名ですが、実はこれらは日本独自の表現で、世界的には胸式呼吸⇒『肋骨呼吸』、腹式呼吸⇒『横隔膜呼吸』が解剖学的に正式な表現となります。
更に正確にお伝えすると肋骨上部はハンドルバケットの法則による『上部肋骨上方回旋』、下部肋骨も同じ骨連鎖パターンですが、肋骨8番~12番付近は肋椎関節面の角度の違いにより、横径の動きが入ります。
ポイント③
プールサイドからの立ち飛び込みができる
⇒ 飛び込んでからボビングを行い、コースロープまで辿り着けることで、水中での自己防衛能力が高まる。水中で息を吐くこと胸腔内圧が下がり、身体を沈めることができます。なので、潜るのが苦手な子は『長く吐く』ことが重要です。
どうでしたか?
実際はお子さんの状態によっては、修正すべきポイントがまだまだ有りますが、コーチ達はこのような事を考え子供たちの指導にあたっています。見学室から見ると、単に潜ったりしているだけのように見えるかもしれませんが、後々泳げるようにさせるためには、実は物凄く重要なポイントがたくさん有るのです。
『うちの子、潜れてるのになんで進級できないんだろう...』
もしそう感じたら、(見学室からは見えない)水中での動きなどにまだ改善ポイントがあったりするからです。見た目の形だけ上手にできても、肋骨や横隔膜を使って、息を吐く・吸うが出来ていなければ、無理に次の級に進んだとしてもそこで壁に当たります。
そういった部分を子供たちの状態に合わせて指導しています。
無理をさせればそれなりに上達は早くなります、でも無理をさせても子供たちの心がついてこなければ、運動が嫌になってしまう場合もあります。だから子供たちの心の成長(性格・理解度・興味など)に合わせて指導しているため、人によっては進級が遅くなる場合もあります。でもこれはそういった理由によるものです。
親御さんは我が子とコーチを信じ、見守ってあげてほしいと心から願います。
本内容についてご質問などありましたら校長の松川までどうぞ。
わかあゆSC 松川 大悟
全米スポーツ医学協会公認指導者